こんにちは、
六本木にある鍼灸治療院TRYANGLE(トライアングル)
塩川です。
前回
【 股関節の手術は成功した。 それでも歩きにくい理由。 】
をご紹介しました。
今回は、
「なぜ歩きにくくなったのか」
「私は何を根拠に施術を組み立てたのか」
を実際の症例をもとにご紹介します。
【バラバラに見える問題から、どう仮説を立てるのか】
初回の問診や視診、動作評価では
・左右の脚長差
・歩幅の減少
・片脚立位時間の短縮
・腰を反らせて歩く癖
・股関節前後
・左右の可動域制限
という特徴が見られました。
さらに触診で問題が
どのように連鎖するのか調べていきます。

これらをそれぞれを別々の物として捉えても、
本当の原因は見えてきません。
私が考えるのは、
「どこが悪いのか」ではなく、
「どこから身体のバランスが崩れ始めたのか」です。
その上で、
・最も歩行へ影響している要素は何か。
・その原因はどこから始まっているのか。
・どこを修正すれば身体は変化するのか。
この3つを前提に仮説を立てます。
そして施術中に何度か評価を行い、仮説を再評価します。
この繰り返しで、少しずつ身体の使い方を整えていきます。
【①まず注目したのは扁平足でした】

私はまず、扁平足が歩行に強く影響していると考えました。
扁平足そのものは珍しいものではありません。
扁平足によって足首が内側へ倒れ、
その影響が膝や股関節まで連鎖していたことでした。
その結果、お尻の筋肉が働きにくくなり、
歩くために必要な推進力が低下していました。
つまり、
「股関節の問題」ではなく、
足から股関節まで一つの繋がって影響していた
のです。
【②扁平足から足首・膝・股関節の捻れが生まれる】
扁平足は股関節・膝・足首へと連動して、
互い違いに“捻れ”が生まれる事でバランスを崩してしまいます。

イメージで言うと、
“雑巾をギュッと絞るような状態”で
歩くたびに股関節の周囲筋が硬くなり、
本来の柔軟性を失い、可動域が減少します。
【今回行った施術】
評価をもとに、今回は次のような流れで施術を行いました。
1、足首の位置を調整する。
2、股関節周囲と太ももの筋肉へ
鍼+電気刺激を行い、筋肉の緊張を整える。
3、腰の過剰な緊張を和らげる。
4、正しい足首の位置を保ちながら、
歩くために必要な筋肉を使う運動を行う。
もちろん、
1回の施術ですべてが改善するわけではありません。
しかし施術後は、
・足が前へ出しやすくなった
・歩きやすくなった
という変化がみられました。
現在も継続して施術を行っていますが、
歩行速度は向上し、腰痛も少しずつ改善してきています。
【最後に】
今回のように、
歩きにくさの原因は一つではありません。
脚長差だけでも
股関節だけでもありません。
身体はすべてつながっているため、
一つの場所だけを見ても、
本当の原因が見えてこないことがあります。
だから私は、
「人工股関節だから仕方ない」と決めつけません。
歩き方や姿勢、関節の動き、筋肉の働きを
丁寧に評価することで、
まだ見えていない改善の糸口が、見つかるかもしれません。
「人工関節だから仕方ない。」
「年齢のせいだから仕方ない。」
「病院で異常はないと言われたから。」
と諦める前に、一度自分の体と向き合ってみませんか?
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。